セブンイレブンで買い物をしている間に、テスラを充電する。こうした場所が身近に増えれば、充電のために予定を組む手間も少し減りそうです。
9月9日、日本経済新聞がセブンのスーパーチャージャー設置計画と利用状況を報じました。気になったのは、店舗数だけでなく、充電した人が実際に店へ立ち寄っているという話です。
EV側にとって便利でも、お店に利点がなければ設置は続きません。今回の利用データは、コンビニと急速充電がどのくらい相性のよい組み合わせなのかを考える材料になります。
約10店舗への計画は7月発表。今回は利用状況に関心
スーパーチャージャーは、テスラが展開する急速充電設備です。セブンでは神奈川県の川崎子母口東店に4基が設置され、7月11日に運用が始まりました。
Car Watchによると、24時間利用でき、最大出力は250kW。2026年度中に約10店舗へ導入する計画も、7月13日の発表時点で示されています。今回初めて決まった拡大計画、というわけではありません。
9月9日付の日経報道で気になったのは、同店での利用が1日約16回あり、充電利用者の65%が店内に入り、55%が購入したという数字です。
充電設備があれば、必ず買い物につながるとは限りません。それでも、車を止めている時間が店舗への立ち寄りにつながっているなら、お店にとっても導入を考える理由になります。
ただ、この数字だけで採算が取れるとまでは判断できません。購入金額や駐車場への影響も含めて考える必要があります。まずは一つの店舗で見えてきた利用状況として受け止めたいところです。
10分で100km分を補えるなら、コンビニとの相性はいい
スーパーチャージャーは、バッテリー残量が少ないときほど短時間で電気を補いやすい設備です。車種やバッテリー温度などにもよりますが、残量がおおむね20%以下で条件が整っていれば、10分ほどで100km以上の走行に相当する電力量を充電できます。
これなら、コンビニへの設置はかなり理にかなっています。飲み物や軽食を選び、会計を済ませて車に戻る。そのくらいの時間で、次の移動に十分な電気を補える場面があるからです。
充電というと、満充電になるまで長く待つイメージを持つ人もいると思います。ただ、途中で立ち寄るたびに満充電にする必要はありません。買い物のついでに100km分ほど補えるなら、それだけでも使い道はあります。
コンビニで長時間過ごすつもりはなくても、10分前後なら普段の買い物や休憩と重ねやすい。個人的には、この短い滞在時間と急速充電がかみ合うところに、今回の取り組みのよさを感じます。
コンビニ併設のよさは、充電中に何をするか考えなくてよいことだと思います。飲み物や軽食を買うなど、短い用事と充電を組み合わせやすい。充電だけのために立ち寄る場所より、日常の移動に取り込みやすそうです。
もちろん、数分の買い物で必要な充電がすべて終わるとは限りません。だからこそ、毎回満充電にする前提ではなく、その後の移動に必要な分を補う使い方と相性がよいと感じます。
ただ、飲み物を買いに数分だけ寄りたい日には、充電のために滞在を延ばすのは面倒です。買い物と充電の時間がちょうど重なる場面で使えることに、コンビニ設置の価値があると思います。
約10店舗という数より、どこに設置されるか
年度内約10店舗という規模だけで、日本の充電事情が大きく変わるとは感じません。近くにできなければ、普段の使い方は変わらないからです。
利用者としては、生活圏やよく通る道沿いにあるかが気になります。充電のために遠回りする必要がなくなれば、1カ所の新設でも意味は大きい。既存の充電場所と近接するのか、選択肢の少なかった地域にできるのかでも、受け止め方は変わります。
駐車場の広さや入りやすさも大事です。Car Watchは、セブンが駐車場スペースの広い店舗などを中心に設置を検討すると伝えています。
充電する車と短時間で買い物を済ませる車が、無理なく出入りできる配置なら使いやすそうです。反対に、混雑する時間帯に動きにくい場所では、設備があっても立ち寄りをためらうかもしれません。
これは同店で問題が起きているという話ではなく、店舗が増える際に気になる点です。充電器の性能だけでなく、駐車場全体の使いやすさも見たいところです。
近所の1カ所が、充電の選択肢になる
今回の取り組みで期待したいのは、充電を日常の用事に組み込みやすい場所が増えることです。
自分が使う店や移動経路に設置されれば、買い物と一緒に電気を補える選択肢になります。ただし、これからEVを買う人が、拡大計画だけを頼りに充電環境を判断するのは早いと思います。普段使える場所があるか、立ち寄れる時間帯に使いやすいかが先です。
私が初めてEVを購入するなら、自宅に充電設備を置くのが第一ですが、もし自宅に充電設備がないなら、近隣の充電でつ日の場所をまず確認します。いつもの道沿いにあれば使い方を具体的に想像できます。約10店舗という数字以上に、自分の生活に重なる1カ所ができるかどうか。そこが、今回の取り組みを身近に感じられる分かれ目になりそうです。
参考・出典


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