テスラModel Yなら冠水路も安心?JAFの検証と水没後の注意点

冠水した道路を勢いよく進むテスラの動画が、Xで話題になっています。水をかき分ける姿を見ると頼もしく感じますが、普段使う車として考えると、気になるのは通過できた後のことです。そのまま乗り続けて大丈夫なのか、車に傷みはないのか。動画だけでは見えてこない部分があります。

こうした映像を見ると、エンジンのないEVなら冠水にも強いのでは、と考えたくなる気持ちは分かります。ただ、その印象を頼りに、自分も冠水路へ入ってよいと判断するのは危険です。

JAFのテストでは、走り切っても損傷があった

EVにはエンジンがないため、吸気口から水を吸い込んでエンジンを壊すという故障の仕方はありません。実際、JAFが2024年10月に行った比較テストでも、EVはガソリン車が停止した条件で走り切っています。

ただし、無傷だったわけではありません。使用したEVは、水深30cmに時速30kmで進入した際、車体の下を覆うアンダーカバーが外れ、ボンネット内部にも水が入りました。水深60cmでは、時速30kmと40kmの条件で複数の警告灯が点灯しています。

モーターが動き続けても、車全体が問題なく使えるとは限らないわけです。途中で止まらなかったとしても、その後に点検や修理が必要になるなら、安心して通れる道とは考えにくいです。

そもそも、この試験はEVの走行可能な水深を示すものではありません。管理された試験場の結果を、深さも路面も分からない街中の冠水に当てはめるのは無理があります。

水没のおそれがあるなら、窓が動くうちに脱出口を確保する

実際の冠水路で怖いのは、車が水に耐えられるかだけではありません。JAFが注意を促しているように、濁った水の下には開いたマンホールや側溝が隠れている可能性があり、水深も見た目では判断しにくくなります。

日本自動車工業会も、大雨の際は川沿いやアンダーパスなどを避けるよう案内しています。前の車が通れたからといって、自分の車でも安全に通れるとは限りません。

万が一、冠水に巻き込まれて水没のおそれがあるときは、窓がまだ水面より上にあり、電動ウィンドウが動くうちに、すぐに窓を開けて脱出口を確保し、早めに脱出することが大切です。 電気系統の故障や水圧で、後から開けようとしても動かなくなる可能性があります。

テスラにはドアの窓に合わせガラスを採用している車両があり、一般的な脱出用ハンマーで割って逃げることが難しい場合もあります。採用箇所は車種や年式によって異なるため、自分の車のガラスの仕様と、電力を失った場合の手動開扉方法は、普段のうちに確認しておきたいところです。

手動でロックを解除できても、水圧でドアが開かないことはあります。いざとなれば窓を割ればよいと考えず、車を動かすことより、脱出できるうちに外へ出ることを優先したいです。

水が引いても、運転や充電を再開しない

冠水の話では走行中の映像に目が向きがちですが、EVを使う側として覚えておきたいのは、水没した後の扱いです。

テスラ公式は、水没した車両について、認定業者の点検を受けるまで操作しないよう案内しています。保険会社に連絡し、建物や他の車両などの可燃物から少なくとも15m離れた場所へ、安全にけん引してもらうことも求めています。

外見がきれいで、まだ動きそうに見えても、自分でガレージへ戻したり、いつものように充電したりせず、まずテスラサービスへ相談する必要があります。発煙や異音、発熱などがあれば、車から離れて消防へ連絡するのが公式の案内です。

こうした注意を、水没したEVは必ず燃えるという話に広げる必要はありません。ただ、見た目だけで無事と判断せず、点検を受けるまで使わないことは徹底したいです。

豪雨への備えは、通る道と駐車場所から

日常の備えとして考えたいのは、通勤途中のアンダーパスを避ける経路や、地下・半地下の駐車場に水が入るおそれがあるときの移動先です。テスラ公式も、水没が予想され、安全に移動できる場合は高台などへ移すことを勧めています。

車を取りに戻ること自体が危険になる前に判断できるよう、天気が悪化する前から候補を考えておくとよさそうです。併せて、加入している保険の水災補償や、搬送・保管の相談先も確認しておきたいところです。

参考・出典

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