テスラの回生ブレーキでブレーキランプが点かない?点灯条件とXの議論を解説

8月23日、Xユーザーの☆ジョバンニさんが、前を走るテスラのブレーキランプを撮影した動画を投稿しました。車は徐々に減速しているもののランプは点かず、停止したところで点灯したように見えます。

後ろを走る側からすれば、前車との距離が縮まっているのに赤いランプが点かないのは、たしかに不安です。ただ、この映像だけを見て、すぐに故障や違法と判断するのは早いと思います。

ポイントは、回生ブレーキが作動したかどうかではなく、どの程度の強さで減速したかです。

回生ブレーキでは減速度によって点灯条件が変わる

回生ブレーキは、アクセルを戻したときにモーターを発電機として使い、その抵抗で車を減速させる仕組みです。一般的なエンジン車のエンジンブレーキに近い役割ですが、EVでは減速力が強く、アクセル操作だけで速度を調整しやすいのが特徴です。

日本の基準では、アクセルを離して電気式回生ブレーキが働いた場合、減速度が0.7m/s²以下なら制動灯の信号は出さず、0.7m/s²を超えて1.3m/s²以下なら点灯は任意、1.3m/s²を超えると点灯が必要とされています。

つまり、回生ブレーキを使っていても、緩やかな減速ならブレーキランプが点かない場合があります。上り坂では勾配によっても速度が落ちるため、後続車からはランプなしで減速したように見えることがあります。

テスラのModel Yオーナーズマニュアルにも、回生ブレーキによって車両が急に減速する場合は、ブレーキランプが点灯すると記載されています。アクセルを戻すたびに、無条件で点灯するわけではありません。

私のModel Yでは低速でもブレーキランプが点灯する

実際に私のModel Yで確認すると、時速5km程度の低速域でも、アクセルを離した際にはブレーキランプが点灯します。体感としてそれほど強い減速ではない場面でも点いているため、単純に低速だから停止するまで点灯しない、という動作ではありません。

今回の動画は、ゆるい上り坂を走っているように見えます。あくまで推測ですが、先行車はアクセルを完全に離さず、軽く踏んだ状態だった可能性があります。

上り坂では、アクセルを軽く踏んでいても勾配の影響で車速が落ちます。この場合は回生ブレーキによる減速ではないため、ブレーキランプが点かなくても不自然ではありません。その後、車両が停止して停車保持機能が働いたタイミングで、ランプが点灯したように見えた可能性があります。

Xで正常と危険の意見が分かれた理由

Xでは、上り坂とブレーキランプの点灯条件による正常な動作だという説明がある一方、後続車から分かりにくく危険に感じるという声も見られます。車間距離の問題を指摘する反応や、故障を疑う反応もあり、意見はかなり割れています。

この話は、法規に合っているかと、周囲のドライバーが安心して対応できるかを分けて考えた方がよさそうです。

基準に適合した動作だったとしても、EVに慣れていない人が違和感を持つことはあります。特に渋滞や坂道では、前車のブレーキランプだけを合図として見ていると、減速の始まりをつかみにくい場面があります。

一方で、今回の動画だけから正常動作、故障、回生ブレーキの不具合のいずれかを判断することもできません。車種や年式、車両の状態、実際の減速度が分からないためです。

回生ブレーキと坂道での自然な減速は分けて考えたい

ワンペダル走行は、アクセルの戻し方を調整して減速する運転です。慣れるとかなり扱いやすい一方、アクセルを離して回生している状態と、アクセルを軽く踏みながら坂道で速度が落ちている状態は、後続車から見ると区別できません。

これはテスラだけを特別に危険視する話ではありません。回生ブレーキを使うEVやハイブリッド車が増える中で、一般のドライバーにも知っておいてほしい特性です。

後続車側は十分な車間距離を取り、ランプだけでなく前車との距離や速度差を見る必要があります。EV側も急なアクセル操作を避け、周囲が予測しやすい運転を心がけた方が安心です。

回生ブレーキと制動灯の関係は、納車時や取扱説明書でもう少し分かりやすく伝えてよい部分だと思います。

今回の映像については、回生ブレーキで停止直前まで減速していたと決めつけるより、上り坂でアクセルを軽く踏みながら速度を落としていた可能性も含めて見るのが自然だと思います。

参考・出典

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