テラチャージがNACS参入へ 2028年度から急速充電器、2033年度までに2500口

テラチャージが、テスラ由来の充電規格「NACS」に参入すると日本経済新聞が報じました。

計画では2028年度からNACS対応の急速充電器を設置し、2033年度までに全国2500口を目指すとのこと。テスラに乗る側としては歓迎したい話ですが、日付を見ると少し冷静になります。今すぐ使える充電器が増えるわけではありません。

テラチャージが2033年度までにNACSを2500口

今回の計画は、2026年8月26日付の日本経済新聞が報じたものです。現時点では、テラチャージからNACS計画に関する公式プレスリリースは出ていません。

日経によると、2028年度からNACS対応急速充電器の設置を始め、2033年度までに全国2500口へ広げる計画です。2026年8月下旬時点でテスラが国内に持つスーパーチャージャーは752口とされており、計画どおりなら、その3倍を超える規模になります。

NACSはテスラが開発した充電方式を基にした規格で、北米ではSAE J3400として標準化されています。日本ではCHAdeMOが急速充電の主流ですが、NACSはコネクタが比較的小さく、普通充電と急速充電を一つの充電口で扱えるのが特徴です。

Xで多いのは「開始が少し先」という反応

Xでは計画の規模よりも、設置開始が2028年度、目標達成が2033年度というスケジュールに反応する声が目立ちます。

確かに2028年度までは約2年あります。2500口がそろうのも、かなり先です。見出しだけを見るとテスラの充電環境が一気に広がる印象を受けますが、直近の使い勝手は変わりません。この時間差は押さえておきたいところです。

テスラ以外の充電網で直接つなげる意味は大きい

それでも、テラチャージのような充電サービス事業者がNACSを本格的に増やす意味は小さくありません。

現在、テスラ車で安心して使いやすい急速充電は、基本的にスーパーチャージャーが中心です。スーパーチャージャーは高出力で操作も簡単ですが、すべての移動先に都合よく設置されているわけではありません。

テラチャージの設置先でもNACSケーブルを直接つなげるようになれば、充電場所の選択肢が増えます。充電のためにルートを変えたり、アダプターを用意したりする場面を減らせる可能性があります。EVは車両性能だけでなく、生活圏や移動ルートに使いやすい充電器があるかで評価がかなり変わります。2500口という数字より、どこに、何kWの充電器が置かれるのかのほうが実用面では重要です。

料金や認証方法も気になります。充電器があっても、出力が低い、料金が割高、アプリの登録が面倒となれば使われにくくなります。スーパーチャージャー並みの手軽さを実現できるかが、利用者側から見たポイントになりそうです。

日本メーカーのNACS採用を見据えた計画

NACSはテスラだけの規格ではなくなりつつあります。マツダは2027年以降に国内で販売するBEVへのNACS採用を発表済みです。ソニー・ホンダモビリティのAFEELAも、日本仕様でNACSを採用する方針を示しています。

充電器側でも、ABBがCHAdeMOとNACSの両方に対応する「Terra 184 JN」を発表し、2026年から納品を始める予定です。日本でいきなりCHAdeMOがなくなるとは考えにくいものの、両規格に対応する充電器は増えていきそうです。

テラチャージの計画も、今いるテスラユーザーだけを狙ったものではなく、数年後に増えるNACS採用車を見据えた先行投資と考えると分かりやすいです。

購入判断を今すぐ変える話ではない

今回の報道は、日本でもNACSが一部の車種だけの規格ではなく、充電インフラの選択肢として扱われ始めたことを示しています。

ただ、設置開始は2028年度です。現時点でEVを選ぶなら、将来の2500口を前提にするのではなく、今使える自宅充電、CHAdeMO、スーパーチャージャーなどを基準に考えるべきです。

そのうえで計画が進めば、テスラや今後登場するNACS採用車はかなり使いやすくなります。見るべきなのは2500口という大きな数字だけではありません。設置場所、出力、料金、認証方法。この4点がそろって初めて、EVユーザーにとって本当に価値のある充電網になります。

参考・出典

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